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| ■鎌倉風日記「タイフーンライド」 |
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8月もお盆を過ぎた頃から、鎌倉は様子が変わり始める。
週末狭いビーチをびっしり埋め尽くしていたセイルやボードと、海にやってくる女の子達の数が目立って減り始め、花火大会の頃に比べると海の家も活気がなくなり始める。日中すごく暑いかと思ったら、夕方になると時折びっくりするような冷たい雨が降ったりするのもこのころからだ。
大気は安定を失い、夏は確実に下降線を辿っていた。梅雨明けから、いやそのずっと前から上向きのベクトルで成長し続けていた太平洋高気圧の旗色が悪くなるにつれ、大陸の高気圧が再び勢力を取り戻しつつあるのだ。
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| 俺は終わりゆく夏を拒むかのように、日焼けして火照りっぱなしの体を気にもかけずに海に通い続けていた。まるで源氏に追われた平家の落ち武者最後の生き残りのような表情を浮かべ、栄華の名残に必死にすがりついているのだ。だがそんな
雰囲気を微塵もなく吹き飛ばし、なお余りある刺激と興奮を俺に与えてくれるものがひとつだけあった。それは台風だ。
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「鎌倉風日記」に関する文責:巡 正也
・All Photo By Arts&Crafts
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